長岡京市の森「西山」
長岡京市域では、古くから広葉樹の薪材としての利用が非常に盛んであり、京都市周辺の地域からは「水の無い港」と称されるほど山の仕事にあふれていた時期がありました。また、西山地域の豊かな森林によって育まれた地下水は、今日に至るまで良質な水として知られています。
戦後は建築用材としての木材需要の拡大とともに人工林の整備拡大を図り、1970年に開催された大阪万国博覧会では日本館の内装材として利用されるヒノキを生み出してきたとの話もあります。
そんな中、長岡京市森林組合は作業班を有しておらず、森林国営保険や苗木あっせん事業を中心とした経営をしており、その経営は長きにわたり低迷を続けていました。
しかし、平成17年度の長岡京市西山森林整備推進協議会設立以降、森林整備の需要が急増したため、その需要にこたえるべく森林調査を積極的に実施し、人工林だけでなく、広葉樹の整備も精力的に実施しています。
また、長岡京市は孟宗竹発祥の地とされており、「筍」の有名な産地でありますが、筍とともに需要のあった竹材の需要減少や、農家の高齢化、後継者不足などにより放置された竹薮が拡大しており、問題となっていることから竹林整備についても新たな方法を模索し、放置竹林の拡大防止を進めています。
現在では、長岡京市の森林面積786.96haの内、306.73haと約40%の森林整備を実施することができました。
その他、森林調査の新たな手法としてGPSやTRUPULSE等を活用した現地調査と、GISを活用したデータの蓄積とともに、航空写真やレーザー計測による地表情報の活用についても研究を進めています。
放置竹林の拡大や、手入れ不足による森林の荒廃、台風などによる災害の発生など課題は多いですが、長岡京市のためにも豊かな西山の保全に積極的に取り組んでまいります。